英国科学誌「Nature Communications」掲載研究論文用Figure
本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」(オンライン)に、2024年5月22日(水)18時(日本時間)に公開されました。当社は、海馬に頭蓋内電極が留置されたてんかん患者が長期間に渡って脳波を計測しながら思考内容について回答している様子を示すFigureを担当いたしました。
DOI:110.1038/s41467-024-48367-1
プレスリリース:https://www.med.osaka-u.ac.jp/activities/results/2024year/kishaima2024-5-17
CLient
大阪大学大学院医学系研究科 岩田貴光先生(脳神経外科学、博士課程)、高等共創研究院 柳澤琢史 教授、大学院医学系研究科 貴島晴彦 教授 (脳神経外科学)、東京大学 大学院薬学系研究科 薬品作用学教室 池谷裕二 教授、Queen’s大学 心理学部 Jonathan Smallwood 教授ら9名の国際共同研究グループ。
研究のポイント
- 人がぼんやり考えごとをしているときに、記憶を作る海馬の活動が増えることを発見。
- 海馬に電極をつけたてんかん患者から約10日間脳波を計測し、同時に考えている内容を調査。
- 海馬の活動は、考えている内容によって変わることがわかった。
- この活動をコントロールできれば、記憶障害や認知症の治療に役立つ可能性がある。
研究概要
大阪大学、東京大学、クイーンズ大学の研究グループは、人がぼんやり考えごとをしているときに、記憶を作るときに見られる海馬の活動が増えることを発見しました。
これまで、この活動は睡眠中に起こることが知られていましたが、起きているときの機能はほとんどわかっていませんでした。今回の研究では、てんかん治療のために海馬に電極をつけた患者から約10日間の脳波を計測し、同時に考えている内容をアンケートで調べました。その結果、ぼんやりしているときに海馬の活動が増えることがわかりました。この活動をコントロールできれば、記憶障害や認知症の治療に役立つ可能性があります。
画像の役割
この図は、患者が海馬に頭蓋内電極を装着し、ウェアラブルデバイスやタブレットを使用しながら、日常生活や考えごとをしている様子を示しています。これにより、頭蓋内脳波の計測とその分析の流れが視覚的に理解しやすくなっています。
この度、研究成果が「Nature Communications」に掲載されたことを心よりお祝い申し上げます。研究チームの皆様のご尽力に深く感謝いたします。今後の更なるご発展をお祈り申し上げます。