医学論文における著作権の ちょっと怖い話

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 COPE(Committee On Publication Ethics、出版倫理委員会)による『論文取り下げに関するガイドライン』(Retraction Guidelines 2019)で、ジャーナル編集者が取り下げを検討する要素に、著作権の侵害をあげています。


 オープンアクセス論文が増え、Figureのライセンスの明示は必須事項です。


 盗作は言わずもがなとして、著作権の侵害にあたるのかどうか、使用許可が必要な資料の範囲や線引きは判断が難しい事例も多くあります。
 その上、著作権上の問題をクリアしても、研究倫理の観点から問題を指摘されるケースもあります。出典を明記しても過度なFigureの引用という印象を持たれると、研究倫理的観点だけでなく、研究の独自性に疑念を抱かれかねません。


 例えば、知人や友人にFigureデザインを頼んだ場合、著作権侵害をしているかどうかの確認はとれるでしょうか?

 その保証はきわめて困難です。
 

 Webで検索した画像を「参考にした」と回答された場合、その保証を求めることは難しいでしょう。もしかして、競合となる研究者の画像を参考にしているかもしれません。


 万が一著作権的な課題を指摘された場合に、友人や知人に責任を負わせることはできないでしょう。

 人間関係に支障をきたすリスクにもなります。


 実際問題、研究論文にとって、著作権侵害やその他の重大な法的問題(名誉毀損、プライバシーなど)よりも、類似の指摘クレームによるダメージの方が大きくなりがちです。


 COIの表示のように、李下に冠を正さずという、事前のリスクヘッジが大切です。


 MEDICAL FIG.のデザインの力を使えば、研究の新規性・独自性をより明確に強く分かりやすく伝達することができ、同時に知的財産権のリスクヘッジにもなるのです。