論文Figureでは、著作権侵害だけでなく、研究倫理上の問題が指摘されるケースもあります。本記事では、画像利用時の注意点や、研究者が意識すべきリスク管理を整理します。
論文Figureは「著作権」だけの問題ではない
COPE(Committee On Publication Ethics、出版倫理委員会)の『Retraction Guidelines(2019)』では、論文取り下げを検討する要因の一つとして著作権侵害が挙げられています。
近年はオープンアクセス論文の増加に伴い、Figureにおけるライセンスや出典管理の重要性も高まっています。
一方で、実際の研究現場では、
- どこまでが引用にあたるのか
- 使用許可が必要か
- 参考画像は使ってよいのか
- AI生成画像は安全なのか
といった判断に迷うケースも少なくありません。
「参考にした画像」は本当に安全なのか?
例えば、知人や友人にFigure制作を依頼した場合、研究者側で著作権上の問題がないことを完全に確認できるでしょうか。
その保証は、実際には容易ではありません。
もし、
- Web検索で見つけた画像を参考にしていた
- 他論文のFigure構成を参照していた
- 出典不明の素材を使用していた
場合、研究者本人が意図していなくても、後から類似や権利上の問題を指摘される可能性があります。
特に近年は、AI生成画像やデザインツールの普及により、「どこまでが独自作成なのか」が曖昧になるケースも増えています。
研究者側で確認しきれないケースも多い
実際には、著作権侵害として法的責任を問われるケースよりも、
- 類似性を指摘される
- 他論文との酷似を疑われる
- 出典説明を求められる
- 研究独自性への疑念を持たれる
といった“疑義”そのものが、大きなダメージにつながることがあります。
また、知人や友人へ依頼した場合、問題発生時の責任整理が難しく、人間関係に影響する可能性もあります。
著作権をクリアしても、研究倫理上問題になることがある
注意すべきなのは、著作権上問題がなくても、研究倫理上の課題が残るケースがあることです。
例えば、
- Figure引用が過剰に見える
- 既存研究との差別化が不十分
- 「独自性が低い」という印象を与える
場合、査読者や読者から研究の新規性に疑問を持たれる可能性があります。
つまり、Figureでは単に「使ってよいか」だけではなく、
- なぜその表現を採用したのか
- 研究独自性がどこにあるのか
- 読者へどう伝わるか
まで含めて考える必要があります。
AI時代に増える「出典不明問題」
近年は、生成AIを利用してFigureのラフを作成するケースも増えています。
しかし、AI生成画像は参照元や学習元が明示されないことも多く、「どの画像を基に生成されたのか」を完全に説明できない場合があります。
そのため、
- AI生成画像をそのまま使用する
- 出典確認なしで利用する
- “それっぽい画像”を流用する
といった対応には注意が必要です。
AI時代だからこそ、「どのように制作されたFigureなのか」を説明できる状態が重要になります。
Figure制作で重要なのは「説明責任」
COI表示と同様に、Figure制作でも「李下に冠を正さず」という視点が重要です。
- どの素材を使ったのか
- どう加工したのか
- 出典は何か
- どこが研究独自の表現なのか
を整理できることが、結果的に研究リスクの低減につながります。
MEDICAL FIG.では、研究内容の独自性や構造を整理しながら、論文投稿に適したFigure設計を支援しています。
単に“見た目を整える”だけではなく、研究内容を適切に伝えながら、知的財産や研究倫理の観点にも配慮したFigure制作を行っています。



