論文のFigureデザインにおいて、多様性や包摂性をどの程度考慮すべきなのか、またその判断はどのように行うべきなのでしょうか?
Figure作成時に、「多様性を意識した方が良いのか?」「それとも研究の正確性だけを重視すべきなのか?」と迷ったことはありませんか?このブログでは、そのバランスについて考えるきっかけを提供します。
ポリティカルコレクトネスとは、多様性や公平性を重視し、偏見や差別を避ける考え方を指します。これは多くの分野で重要な概念ですが、学術論文のFigureにおいては、これが必ずしも主目的とはなりません。
論文のFigureは、研究内容を正確に、そして簡潔に伝えるためのものです。過度に多様性を意識した結果、図の科学的正確性が損なわれることがあれば、それは論文の目的を損ねるリスクをはらんでいます。
一方、Figureに多様性や包摂性を反映することが適切な場合もあります。
たとえば、特定のジェンダーや属性が対象でない研究の場合、視覚的なバランスを取ることで読者に配慮を示すことができます。この判断には、科学的事実を最優先に据えながら、適切な範囲でデザインの選択肢を検討する柔軟性が求められます。
実例を見てみましょう。
これは当社が担当した案件を、サンプル用にアレンジしたものです。実際の研究成果とは異なります。
ラフ1では男性のみが描かれていますが、ラフ2では女性を加えたデザインに変更されています。実際に特にポリコレ的なやりとりがあったわけではなく、この描き換えプロセス自体は至極自然な流れとして進められました。
労働と心理状態の関係性の調査がテーマで、一人の人間の心理状態のバラつきを示す趣旨のFigureです。論文の趣旨として、情報としては一人の人間で代表すればよいFigureでした。結果として対象の一人の人間として男性を選びましたが、もちろん、依頼者は男女どちらでもよいというスタンスでした。
そこから、いくつかの検討を経て以下の変更が行われました。
ビジュアル的な変化の研究内容への影響:ジェンダーバランスを考慮しても論文内容に影響はない。
読者への配慮:多様性を取り入れることで、幅広い読者層が親しみやすい図になる。
男女を描き分けることで本文の科学的事実を損なわず、研究の正確性を保ちながらポリコレ的な対応が自然と行われたケースです。
私たちMEDICAL FIG.は、学術論文のFigureデザインを通じて、研究内容を最適に伝えるお手伝いをしています。
その際、以下の点を重視しています。
Figureは研究の核心を表現するものであり、その正確性を損なうことはあってはなりません。どのようなデザイン変更であっても、まずは研究の正確性を確保します。
科学的事実やデータに基づきつつ、視覚的な多様性や読者への配慮を取り入れます。これは強制ではなく、図がより受容されやすくなる場合に限り、柔軟に対応します。
デザインプロセスにおいては、お客様の意図や研究の背景をしっかりとヒアリングし、それをデザインに反映します。必要に応じて多様性の要素を提案することもありますが、最終的な判断はお客様に委ねます。
今回の事例は、学術論文のFigureデザインにおけるポリティカルコレクトネスの取り入れ方について考える良いきっかけになるかと思います。
私たちのサービスでは、科学的正確性を第一に考えつつ、読者への配慮や視覚的な工夫を行うことで、研究の魅力を最大限に引き出すデザインを提供しています。
「多様性を意識するべきか」「科学的正確性とどう両立するか」といった課題に直面した際には、ぜひ当社のサービスをご検討ください。
私たちは、研究の価値を視覚的に最大化するために、日々進化を続けています。あなたの研究を最適に伝えるFigureデザインを、ぜひ一緒に作り上げましょう。