がん治療における画像診断とインターベンションを扱う専門誌「日本インターベンショナルラジオロジー学会雑誌」に、先生の論文が掲載されました(2022 年 36 巻 3 号 p. 244-253、公開日:2022/08/05)。本論文には、私たちが作成した腫瘍微小環境の概念図および治療の影響を示すイラストが使用されています。
DOI:https://doi.org/10.11407/ivr.36.244
神戸大学 上嶋 英介 先生
腫瘍微小環境(TME)は、血管、線維芽細胞、免疫細胞、細胞外マトリックスなどで構成され、腫瘍の成長と密接に関わっています。本論文では、TACE(肝動脈化学塞栓療法)やRFA(ラジオ波焼灼療法)が腫瘍微小環境に及ぼす影響を、多数のin vitroおよびin vivo研究をもとに解説しています。特に、TACEなどの局所療法によって腫瘍微小環境が活性化し、望ましくない反応が生じる可能性があることが示されています。このため、これらの影響を制御し、腫瘍細胞死へと導く新たな治療戦略が求められています。本論文では、最新のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)や免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が腫瘍微小環境に与える影響、局所療法との併用による相乗効果や補完的な効果についても考察されています。
本論文で使用されたイラストは、腫瘍微小環境の構成要素や局所療法後の変化を視覚的に明確化し、研究内容の理解を促進するために作成しました。特に、腫瘍の血管新生や低酸素環境、免疫細胞の関与を色分けやレイアウトで分かりやすく表現し、複雑なメカニズムを一目で把握できるよう工夫しています。
この度、「日本インターベンショナルラジオロジー学会雑誌」に掲載されたことを心よりお祝い申し上げます。先生のご尽力に深く感謝いたします。