脳卒中および脳血管医学における新たな研究や進歩を探求する学際的学術誌「Frontiers in Stroke」に、「Parallel stent retriever mechanical thrombectomy of an acute internal carotid artery occlusion refractory to standard techniques: A case report」 が2023年2月9日に掲載されました。本論文では、標準的な治療法では再開通が困難であった急性内頚動脈閉塞に対し、Parallel stent retriever technique(並列ステントリトリーバー法) を用いることで成功した症例が報告されています。当社は本研究において、治療手技の比較やParallel stent retriever techniqueの手順を示すイラストレーション を作成し、論文の理解をサポートしました。
DOI:https://doi.org/10.3389/fstro.2023.1066491
国立循環器病研究センター 吉本武史 先生
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本研究は、標準的な治療手技では再開通が困難であった急性内頚動脈閉塞に対し、新たな救済治療法としてParallel stent retriever technique(並列ステントリトリーバー法) を適用した症例報告です。一般的に、ステントリトリーバーを用いた機械的血栓回収術(mechanical thrombectomy)は急性大血管閉塞に対して有効ですが、一部の症例では血栓の性質や位置により治療が困難となります。本研究では、従来の方法が奏功しなかった患者に対し、2本のステントリトリーバーを並列に展開することで血栓を確実に捉え、良好な再灌流(eTICI 2b)を達成 しました。この技術は、既存の治療法で困難な症例に対する新たな選択肢となる可能性が示唆されました。
当社が作成したイラストは、従来法とParallel stent retriever techniqueの違いを視覚的に明確化し、本手技の有用性を直感的に理解できるよう工夫しました。血管の走行を統一した表現にすることで、違いがある箇所が際立ち、血栓を挟み込む構造の違いがより明瞭になっています。
この度、「Frontiers in Stroke」に掲載されたことを心よりお祝い申し上げます。先生のご尽力に深く感謝いたします。