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「Cell metabolism 」Cover art

作成者: MEDICAL FIG. 編集部|Sep 11, 2026, 4:57:58 AM

概要

株式会社メディカルエデュケーション(本社:東京都杉並区、代表取締役:落合隆志)が運営する学術Figureデザインサービス「MEDICAL FIG.」は、画家・米増由香氏との協働により、2026年9月1日発行の国際学術誌『Cell Metabolism』(Cell Press)Volume 38, Issue 9(https://www.cell.com/issue/S1550-4131(25)X0010-3)の表紙を制作しました。

原画に用いられたのは、電熱ペンで木材を焼いて描く「ウッドバーニング」という技法です。

※『Cell Metabolism』は、インパクトファクター約30を誇る、代謝・内分泌研究分野で世界最高峰の学術誌の一つ。基礎から臨床まで、世界をリードする研究成果が掲載されています。

下絵作業中。


掲載時画像。PCに取り込み着色・調整する。脂肪細胞でできた部屋から鳥が飛び立つ。

背景:生成AIの普及と、学術出版における利用の線引き

生成AIは、文章だけでなく画像制作にも急速に広がっています。一方、研究成果を扱う学術出版では、その利用範囲について出版社によるルールづくりが進んでいます。

Cell Pressでは、実験・観察データを示す画像に加え、カバーアートについても生成AIおよびAI支援ツールの使用を認めていません(AIの使用が研究そのものに不可欠である場合を除く)。画像を生成できるAIが身近になった現在も、学術誌のカバーアートには、人の手による制作が求められている領域があります。

 

論文の主旨:「燃え残りかす」を「秘密の伝令」に

対象となった論文は、低温刺激で活性化した褐色脂肪が3-OHSA(3-ヒドロキシステアリン酸)という代謝物を血中へ放出し、離れた肝臓に作用して酸化ストレスを抑えることを示した研究です。褐色脂肪が熱を生み出すだけでなく、全身へ情報を発信する器官でもあることを示しています。

MEDICAL FIG.は、論文が受理された段階からコンセプト設計に関与しました。研究者との打ち合わせでは、3-OHSAは「副産物」「燃え残りかす」といった言葉で説明されていました。

これを「重要ではないと思われていた存在が、実は重要な役割を担っていた」という研究上の価値の転換として捉え、コンセプトを「Secret Messenger(秘密の伝令)」としました。

このコンセプトを受けた米増氏は、褐色脂肪細胞を「家」に見立て、開かれた扉から手紙を運ぶ鳥たちが飛び立つ世界として表現しました。3-OHSAそのものを分子構造として描くのではなく、研究の意味を一つの物語に置き換えています。

 

木を焼いて描く― ―人が担った「判断」と「表現」

加熱調整で焼き色を調整して描く。繊細な作業。

MEDICAL FIG.から米増氏へ伝えたのは、完成した絵の設計図ではなく、「Secret Messenger」というコンセプトでした。色彩・絵柄・構図・モチーフの細部は指定せず、米増氏の表現に委ねました。

米増氏は、電熱ペンで木材を焼き、焦げの濃淡によって線と面をつくるウッドバーニングで原画を制作。焼き上げた原画を取り込み、PC上で着色して仕上げています。

今回の制作では、研究成果から「何を描くか」を決める判断と、それを「どう描くか」を作品として成立させる表現を、それぞれの専門性を持つ人が担いました。

【米増由香氏Instagram】@yonemasu.y

【活動サイト】https://lit.link/yonemasu

誌面のクレジットは「© Yuka Yonemasu / MEDICAL FIG.」です。

 

研究成果の概要

・FDG-PET/CTを用いてヒト褐色脂肪活性の評価した被験者の血液や褐色脂肪欠損マウスの血液・組織のメタボロームおよびリピドームを解析し、褐色脂肪由来の代謝産物を網羅的に探索しました。

・その結果、褐色脂肪は寒冷刺激に応じて3-ヒドロキシステアリン酸(3-OHSA)を産生し、血中に放出することを見出しました。

・血中に放出された3-OHSAは肝臓のミトコンドリア膜電位を低下させ、酸化ストレスを軽減することを見出しました。

・新たな褐色脂肪由来因子BATokineを介した褐色脂肪と肝臓の臓器連関が明らかになりました。

関連ニュース(東北大学)  :http://www.metab.med.tohoku.ac.jp/news/3010/

 

論文情報

Wang D, Li M, Lu T, et al. “Brown fat protects against hepatic oxidative stress by remodeling the circulating metabolome.” Cell Metabolism 38(9):1881–1895.e8, September 1, 2026.

責任著者:米代武司(東京大学先端科学技術研究センター/東北大学大学院医学系研究科)、Shingo Kajimura(ハーバード大学/ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター)

 

参考:Cell Pressの生成AI・画像制作に関するガイドライン

•Cover submission guidelines https://www.cell.com/cell-metabolism/information-for-authors/cover-submission

•Figure guidelines https://www.cell.com/information-for-authors/figure-guidelines

 
 

株式会社メディカルエデュケーション / MEDICAL FIG.について

株式会社メディカルエデュケーション(株式会社SCICUSグループ 本社:東京都杉並区、代表取締役:落合隆志)は、医学・生命科学・ヘルスケア分野を中心に、研究者や専門家の思考整理、研究構造の可視化を支援しています。

MEDICAL FIG.は、同社が提供する医療・研究分野向け可視化支援サービスです。研究内容や実験系の背景を踏まえ、論文Figure、Graphical Abstract、模式図などの制作を通じて、研究成果の伝達を支援しています。

 

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